ukyokyokyo’s diary

主に映画のご紹介、視聴感想をお話します。

『ショーシャンクの空に』釈放だけが救いではない?囚人達の物語

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映画『ショーシャンクの空に』の紹介

概要

ショーシャンクの空に(ショーシャンクのそらに、原題:The Shawshank Redemption)は、1994年に公開されたアメリカ映画。刑務所内の人間関係を通して、冤罪によって投獄された有能な銀行員が、腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず生き抜いていくヒューマン・ドラマ。

原作はスティーブン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース(Rita Hayworth and Shawshank Redemption)』。監督・脚本はフランク・ダラボンが務め、彼の初監督作品でもある。原題の「The Shawshank Redemption」は直訳すると「ショーシャンクの贖い」になる。

 Wikipediaより引用

 

出演・監督

アンドリュー・デュフレーン (アンディ)
ティム・ロビンス /cv,大塚芳忠

エリス・ボイド・レディング (レッド)
モーガン・フリーマン /cv,池田勝

サミュエル・ノートン刑務所長
ボブ・ガントン /cv,仁内建之

ヘイウッド
ウィリアム・サドラー /cv,江原正士

バイロン・ハドリー主任刑務官
クランシー・ブラウン /cv,田中正彦

トミー・ウィリアムズ
ギル・ベローズ /cv,真地勇志

ボッグズ・ダイアモンド
マーク・ロルストン /cv,金尾哲夫

ブルックス・ヘイトレン
ジェームズ・ホイットモア /cv,宮田光

検察官
ジェフリー・デマン /cv,糸博


監督・脚本
フランク・ダラボン



あらすじ

1947年、若くして銀行副頭取を務める優秀な銀行員アンドリュー・デュフレーン (アンディ)は、妻とその愛人を射殺した罪に問われる。無実を訴えるも終身刑の判決が下り、劣悪なショーシャンク刑務所への服役が決まる。ショーシャンクでは、長年服役する「調達屋」ことエリス・ボイド・レディング(レッド)が、もう何度目かとなる仮釈放 の審査を受け、更生したことを訴えるがやはり却下される。レッドが落胆し部屋を出ると、アンディを含む新しい受刑者達が護送されて来る。アンディら新入り達はノートン所長ハドリー主任刑務官から脅しを含めたショーシャンク刑務所の紹介をされ、その晩に取り乱した一人の新人受刑者がハドリーから過剰暴力を受けて死んでしまう。 

孤立していたアンディはやがてレッドに声をかけ、鉱物採集の趣味のため小さなロックハンマーを注文する。それをきっかけにアンディはレッドと交友を重ね始める。

 

Wikipediaより引用

 

ショーシャンクの空に』を見た感想・考察(ネタバレあり)

ショーシャンクの空に』の視聴の感想

胸が締め付けられます(急に)。 
そして考えさせられました。

実はこれもエクソシストと同じパターンで
幼少期の頃になんとなく見てたんですよ。

幼少期の時に見ても全く理解出来なかったし、
「うるせえお前ら悪いことしてきたんだから当然の報いや!」
と分らないくせにそんな残酷な感想でしたw
改めてタイトルを見るとやはり名作との事で再視聴。


序盤のショーシャンク刑務所の囚人たちは
皆が想像する通りのすれた人間でした。

それがアンディの心に触れていき、自分の夢や希望を見出していく、
そして真の悪は刑務所だった、という事。
という一見在り来たりなストーリーかもしれませんが、
蓋を開ければ全く在り来たりではありませんでした。

流石キング…流石ダラボン…

アンディとレッドの物語はもちろんのこと、
個人的にはブルッグスの仮釈放のシーンと
トミーが家族の為にと更生し出所後の為に高校卒業資格を取ろうと頑張るくだりがもう
心が締め付けられました。

その詳細は後述しますね。

そして
レッドの最初の仮釈放の審査の言動と表情と、最後の言動と表情…
本当の「更生」ってこうなんだろうなと思いました。
本当の更生なんて誰もわからないですけど、私なりに。

あと、主人公のアンディの有能さと優しさ。
これがなければレッドは一生を獄中過ごしていただろうし
皆も出所後の為に勉強もしなかっただろうし
極悪刑務所長の悪事も分からなかったはず。

普通であれば自分の事で精一杯ですし、冤罪ですからすぐにでも出所したいと思うのに
このアンディは粘り強く20年をかけて穴を掘り脱出。

執念と努力です。報われたとかでなく…自力です。
ほんとに素晴らしい作品だわさ…

私の思う素晴らしい作品に大概モーガン・フリーマンが居ますね。うん

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印象に残ったシーン

前述した印象に残ったシーンを深く語らせて頂きますね。
ストーリー全ての流れはどうしても長くなるのでピックアップとさせてください。

 

 

ブルックスの仮釈放

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ブルッグスは終身刑で50年服役した老囚人。
カラスのジェイクが相棒のおじいちゃんです。
図書係を務めており、いつも図書室に居ます。


半生を檻の中で過ごしてたわけですから、急に仮釈放を受けてどうなるか…

終身刑は人を廃人にする刑罰だ。陰湿な方法で」

とレッドも言っていました。


車を見て入所前と現在の変化に50年の穴を感じ、道を歩くのもぎこちない。
自由な外の世界に馴染めない。
命令をこなし、トイレに行くにも許可が必要だった生活に慣れてしまっているから。
自由が怖い。広い住まいにも馴染めない。悪夢でいつも目が覚める。

だから、死ぬことにした

そう手紙で語り、首を括り自殺しました。
その梁には、

「BROOKS WAS HERE(ブルックス ここにありき)」

と書かれています。

見た当初
ああああああああああああああああ(大号泣)
でした。

罪人も人間です。
終身刑のような重い罪を犯した罪人でも人間です。
ですが刑罰が悪い訳でも全くなく。
本来はこういった作品では「仮釈放だーやったー☆」となる筈なので
予想外の辛さとしんどさとを抱えましたね。
且つ物凄く自問自答してしまいました。

彼はそれで終わりになるのが普通ですが
実は、アンディの活躍で図書館を寄贈され、
囚人たちの手でリフォームすることになるのですが、
その木彫りの看板をレッドが掘っています。
よく見ると

BROOKS  HATLEN  MEMORIAL  LIBRARY
(ブルックス・ヘイトレン記念図書館)

と書かれています。

ああああああああああああああああああ(二度目)
なんと粋な演出でしょうか…
字幕にもセリフにもなってない所もまたいい…
ブルックスの半生は図書と共にありましたから、
彼を讃えての名前なんでしょうね。




トミーの努力と更生

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トミーは明るい性格で、盗みを働く小悪党です。
実刑は2年。(盗んで捕まっての繰り返し)

食事中も明るくアメリカンジョークを言い、
そこそこ自分の悪事に誇りを持っており
絵に描いたようなショボイ小悪党でした。

ですが妻子がおり、しかも子供はまだ赤ちゃん。

このままじゃダメだ、家族の為にマトモにならないとと気付くんです。
このままだと出所しても働けないから同じことの繰り返し、と。

そこでトミーがとった行動は、

プライドを捨て、アンディを「先生」と呼び勉強を教えてくれと頼みます。
高校卒業資格を取る為に。

呆気に取られたアンディでしたが、
その気概を買って教えることにしたんです。

ですがトミー曰く「実は俺、読み書きがメチャなんだ」。
さらに呆気に取られるアンディ。ほっこりします。

Aa Bb Cc…とアルファベットから勉強することになったトミーでしたが
やる気があると宣言した通り、ものすごく意欲的に勉強しています。
勉強の面白さに気づいたのか食事中にも辞書を読み
わからない所はアンディに質問
100点満点の生徒で、初登場シーンの印象がどっかに行きました。

高校の授業内容にも突入し、アンディも喜んで教えています。

そして資格取得試験当日
制限時間が過ぎ、

「1年を無駄にした。わからなかった。中国語みたいだ」

と意気消沈。
アンディが「まずは採点だ」と諫めるも
トミーは答案用紙をグシャグシャにし丸めてゴミ箱へシュート。

「何点か教えてやる!!これで2点だ!!」

そう言い、図書館から出て行ってしまいます。

トミーの努力は相当なものですが、幼稚園児~高校卒業までの範囲を一年で…
というのはかなりのつけ焼き刃ですから、当り前です。
ちょっと辛い…。

「彼をガッカリさせた」とさらに意気消沈している彼に対し
レッドは「お前を誇りに思っているさ」と元気づけています。

そうです。先生はあのアンディですからガッカリして見放すわけがないんですよね。

試験の合否が届いた際、トミーは開けるのが怖いと言います
なのでレッドが(半ば無理やり)代わりに封を切ると
結果は無事合格。
どういう事かというと。

トミーのクシャクシャの答案用紙と自分が解答した答案用紙をすり替えたんですね。
こっそり。(それかトミーの答案用紙に自身で書き込んだ)
実際にはそんなシーンはないのですが

  • トミーが出てしまった後アンディがトミーの答案用紙を見つめていた
  • レッドは「お前を誇りに思っているさ」と励ましている
  • 0点だったはずの試験が合格になっている。


そこから容易に考えられます。
アンディ…粋なことしやがる…!
トミーの努力が無駄にならないようにそんなことを…!

普通なら「来年に挑戦して無事合格」という流れになるかと思うのですが
囚人らしくダーティで粋な方法で合格させるのがまたいい。

くれぐれも皆さんは真似しないように!


トミーの死

はい。つらい見出しで申し訳ありません。
視聴者の心を豊かにしてくれたトミーですが。



殺されてしまうんです。


実はトミーは前に居た刑務所でアンディの冤罪の真犯人を知っていたんですね。
その男はエルモと名乗っており、トミーに「女と浮気相手のプロゴルファーを殺した。そしたらその旦那が捕まったんだ」と大笑いしながら語ってました。
(これまた本当に気持ち悪い)

アンディがなぜ捕まったか知ったトミーは、状況と登場人物が同じという事から「エルモ」という男が真犯人かもしれないと語ります。

アンディからすればこれ以上ない大事な情報ですよね。
その情報を手に刑務所長の元に向かい、直談判します。

ですが刑務所長は優秀な(改ざんしてくれる)経理担当を手放す気はありません。
アンディを門前払いし懲罰房行きにしてしまいます。

そして、夜。
外にトミーを呼び出し、「アンディの事件の解決をしたい」と刑務所長は語ります。

トミーは喜んでと返事をしました。
そりゃそうだ、恩人だもの。助けたいだろうさ。

そしてよろしく頼むと言わんばかりに煙草をトミーに分け与え、
控えていた看守達に撃ち抜かれ亡くなるんですよ。
証人を消すために。


おおおおおおおおおおおん!!?

刑務所長ゴルァ!!!

経理を無理やりアンディに改ざんさせてるのも相当だけど
なにしてくれとんじゃゴルァ!!!!!!!


と、まぁ…絶望と怒りに塗れましたね。
あまりに残酷すぎる。

コソ泥のしょっぱい悪党が更生し、学習に励み、努力した結果。
物凄く辛かったです。

思い出しただけでも泣けてきた…

 

 

※トミーを撃った看守役はクランシー・ブラウンです。見た当初はこの看守に怒りを覚えてましたが、今思えば「Detroit」のハンクなんですよね…俳優ってすごい

まとめ

いやぁ、人生観がごっそり変わるほどの作品でした。
本当はメインであるアンディとレッドの物語の部分も語りたかったのですがえぐ過ぎる文字数になる事が予見されたため、いつか別の記事としてアップさせてください。
この二人は罪や生き方等の学びを教えてくれたので、是非とも今回以上に語り明かしたいですね。

ではまた別の記事でお会いしましょう。