ukyokyokyo’s diary

主に映画のご紹介、視聴感想をお話します。

『ショーシャンクの空に』釈放だけが救いではない?囚人達の物語

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映画『ショーシャンクの空に』の紹介

概要

ショーシャンクの空に(ショーシャンクのそらに、原題:The Shawshank Redemption)は、1994年に公開されたアメリカ映画。刑務所内の人間関係を通して、冤罪によって投獄された有能な銀行員が、腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず生き抜いていくヒューマン・ドラマ。

原作はスティーブン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース(Rita Hayworth and Shawshank Redemption)』。監督・脚本はフランク・ダラボンが務め、彼の初監督作品でもある。原題の「The Shawshank Redemption」は直訳すると「ショーシャンクの贖い」になる。

 Wikipediaより引用

 

出演・監督

アンドリュー・デュフレーン (アンディ)
ティム・ロビンス /cv,大塚芳忠

エリス・ボイド・レディング (レッド)
モーガン・フリーマン /cv,池田勝

サミュエル・ノートン刑務所長
ボブ・ガントン /cv,仁内建之

ヘイウッド
ウィリアム・サドラー /cv,江原正士

バイロン・ハドリー主任刑務官
クランシー・ブラウン /cv,田中正彦

トミー・ウィリアムズ
ギル・ベローズ /cv,真地勇志

ボッグズ・ダイアモンド
マーク・ロルストン /cv,金尾哲夫

ブルックス・ヘイトレン
ジェームズ・ホイットモア /cv,宮田光

検察官
ジェフリー・デマン /cv,糸博


監督・脚本
フランク・ダラボン



あらすじ

1947年、若くして銀行副頭取を務める優秀な銀行員アンドリュー・デュフレーン (アンディ)は、妻とその愛人を射殺した罪に問われる。無実を訴えるも終身刑の判決が下り、劣悪なショーシャンク刑務所への服役が決まる。ショーシャンクでは、長年服役する「調達屋」ことエリス・ボイド・レディング(レッド)が、もう何度目かとなる仮釈放 の審査を受け、更生したことを訴えるがやはり却下される。レッドが落胆し部屋を出ると、アンディを含む新しい受刑者達が護送されて来る。アンディら新入り達はノートン所長ハドリー主任刑務官から脅しを含めたショーシャンク刑務所の紹介をされ、その晩に取り乱した一人の新人受刑者がハドリーから過剰暴力を受けて死んでしまう。 

孤立していたアンディはやがてレッドに声をかけ、鉱物採集の趣味のため小さなロックハンマーを注文する。それをきっかけにアンディはレッドと交友を重ね始める。

 

Wikipediaより引用

 

ショーシャンクの空に』を見た感想・考察(ネタバレあり)

ショーシャンクの空に』の視聴の感想

胸が締め付けられます(急に)。 
そして考えさせられました。

実はこれもエクソシストと同じパターンで
幼少期の頃になんとなく見てたんですよ。

幼少期の時に見ても全く理解出来なかったし、
「うるせえお前ら悪いことしてきたんだから当然の報いや!」
と分らないくせにそんな残酷な感想でしたw
改めてタイトルを見るとやはり名作との事で再視聴。


序盤のショーシャンク刑務所の囚人たちは
皆が想像する通りのすれた人間でした。

それがアンディの心に触れていき、自分の夢や希望を見出していく、
そして真の悪は刑務所だった、という事。
という一見在り来たりなストーリーかもしれませんが、
蓋を開ければ全く在り来たりではありませんでした。

流石キング…流石ダラボン…

アンディとレッドの物語はもちろんのこと、
個人的にはブルッグスの仮釈放のシーンと
トミーが家族の為にと更生し出所後の為に高校卒業資格を取ろうと頑張るくだりがもう
心が締め付けられました。

その詳細は後述しますね。

そして
レッドの最初の仮釈放の審査の言動と表情と、最後の言動と表情…
本当の「更生」ってこうなんだろうなと思いました。
本当の更生なんて誰もわからないですけど、私なりに。

あと、主人公のアンディの有能さと優しさ。
これがなければレッドは一生を獄中過ごしていただろうし
皆も出所後の為に勉強もしなかっただろうし
極悪刑務所長の悪事も分からなかったはず。

普通であれば自分の事で精一杯ですし、冤罪ですからすぐにでも出所したいと思うのに
このアンディは粘り強く20年をかけて穴を掘り脱出。

執念と努力です。報われたとかでなく…自力です。
ほんとに素晴らしい作品だわさ…

私の思う素晴らしい作品に大概モーガン・フリーマンが居ますね。うん

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印象に残ったシーン

前述した印象に残ったシーンを深く語らせて頂きますね。
ストーリー全ての流れはどうしても長くなるのでピックアップとさせてください。

 

 

ブルックスの仮釈放

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ブルッグスは終身刑で50年服役した老囚人。
カラスのジェイクが相棒のおじいちゃんです。
図書係を務めており、いつも図書室に居ます。


半生を檻の中で過ごしてたわけですから、急に仮釈放を受けてどうなるか…

終身刑は人を廃人にする刑罰だ。陰湿な方法で」

とレッドも言っていました。


車を見て入所前と現在の変化に50年の穴を感じ、道を歩くのもぎこちない。
自由な外の世界に馴染めない。
命令をこなし、トイレに行くにも許可が必要だった生活に慣れてしまっているから。
自由が怖い。広い住まいにも馴染めない。悪夢でいつも目が覚める。

だから、死ぬことにした

そう手紙で語り、首を括り自殺しました。
その梁には、

「BROOKS WAS HERE(ブルックス ここにありき)」

と書かれています。

見た当初
ああああああああああああああああ(大号泣)
でした。

罪人も人間です。
終身刑のような重い罪を犯した罪人でも人間です。
ですが刑罰が悪い訳でも全くなく。
本来はこういった作品では「仮釈放だーやったー☆」となる筈なので
予想外の辛さとしんどさとを抱えましたね。
且つ物凄く自問自答してしまいました。

彼はそれで終わりになるのが普通ですが
実は、アンディの活躍で図書館を寄贈され、
囚人たちの手でリフォームすることになるのですが、
その木彫りの看板をレッドが掘っています。
よく見ると

BROOKS  HATLEN  MEMORIAL  LIBRARY
(ブルックス・ヘイトレン記念図書館)

と書かれています。

ああああああああああああああああああ(二度目)
なんと粋な演出でしょうか…
字幕にもセリフにもなってない所もまたいい…
ブルックスの半生は図書と共にありましたから、
彼を讃えての名前なんでしょうね。




トミーの努力と更生

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トミーは明るい性格で、盗みを働く小悪党です。
実刑は2年。(盗んで捕まっての繰り返し)

食事中も明るくアメリカンジョークを言い、
そこそこ自分の悪事に誇りを持っており
絵に描いたようなショボイ小悪党でした。

ですが妻子がおり、しかも子供はまだ赤ちゃん。

このままじゃダメだ、家族の為にマトモにならないとと気付くんです。
このままだと出所しても働けないから同じことの繰り返し、と。

そこでトミーがとった行動は、

プライドを捨て、アンディを「先生」と呼び勉強を教えてくれと頼みます。
高校卒業資格を取る為に。

呆気に取られたアンディでしたが、
その気概を買って教えることにしたんです。

ですがトミー曰く「実は俺、読み書きがメチャなんだ」。
さらに呆気に取られるアンディ。ほっこりします。

Aa Bb Cc…とアルファベットから勉強することになったトミーでしたが
やる気があると宣言した通り、ものすごく意欲的に勉強しています。
勉強の面白さに気づいたのか食事中にも辞書を読み
わからない所はアンディに質問
100点満点の生徒で、初登場シーンの印象がどっかに行きました。

高校の授業内容にも突入し、アンディも喜んで教えています。

そして資格取得試験当日
制限時間が過ぎ、

「1年を無駄にした。わからなかった。中国語みたいだ」

と意気消沈。
アンディが「まずは採点だ」と諫めるも
トミーは答案用紙をグシャグシャにし丸めてゴミ箱へシュート。

「何点か教えてやる!!これで2点だ!!」

そう言い、図書館から出て行ってしまいます。

トミーの努力は相当なものですが、幼稚園児~高校卒業までの範囲を一年で…
というのはかなりのつけ焼き刃ですから、当り前です。
ちょっと辛い…。

「彼をガッカリさせた」とさらに意気消沈している彼に対し
レッドは「お前を誇りに思っているさ」と元気づけています。

そうです。先生はあのアンディですからガッカリして見放すわけがないんですよね。

試験の合否が届いた際、トミーは開けるのが怖いと言います
なのでレッドが(半ば無理やり)代わりに封を切ると
結果は無事合格。
どういう事かというと。

トミーのクシャクシャの答案用紙と自分が解答した答案用紙をすり替えたんですね。
こっそり。(それかトミーの答案用紙に自身で書き込んだ)
実際にはそんなシーンはないのですが

  • トミーが出てしまった後アンディがトミーの答案用紙を見つめていた
  • レッドは「お前を誇りに思っているさ」と励ましている
  • 0点だったはずの試験が合格になっている。


そこから容易に考えられます。
アンディ…粋なことしやがる…!
トミーの努力が無駄にならないようにそんなことを…!

普通なら「来年に挑戦して無事合格」という流れになるかと思うのですが
囚人らしくダーティで粋な方法で合格させるのがまたいい。

くれぐれも皆さんは真似しないように!


トミーの死

はい。つらい見出しで申し訳ありません。
視聴者の心を豊かにしてくれたトミーですが。



殺されてしまうんです。


実はトミーは前に居た刑務所でアンディの冤罪の真犯人を知っていたんですね。
その男はエルモと名乗っており、トミーに「女と浮気相手のプロゴルファーを殺した。そしたらその旦那が捕まったんだ」と大笑いしながら語ってました。
(これまた本当に気持ち悪い)

アンディがなぜ捕まったか知ったトミーは、状況と登場人物が同じという事から「エルモ」という男が真犯人かもしれないと語ります。

アンディからすればこれ以上ない大事な情報ですよね。
その情報を手に刑務所長の元に向かい、直談判します。

ですが刑務所長は優秀な(改ざんしてくれる)経理担当を手放す気はありません。
アンディを門前払いし懲罰房行きにしてしまいます。

そして、夜。
外にトミーを呼び出し、「アンディの事件の解決をしたい」と刑務所長は語ります。

トミーは喜んでと返事をしました。
そりゃそうだ、恩人だもの。助けたいだろうさ。

そしてよろしく頼むと言わんばかりに煙草をトミーに分け与え、
控えていた看守達に撃ち抜かれ亡くなるんですよ。
証人を消すために。


おおおおおおおおおおおん!!?

刑務所長ゴルァ!!!

経理を無理やりアンディに改ざんさせてるのも相当だけど
なにしてくれとんじゃゴルァ!!!!!!!


と、まぁ…絶望と怒りに塗れましたね。
あまりに残酷すぎる。

コソ泥のしょっぱい悪党が更生し、学習に励み、努力した結果。
物凄く辛かったです。

思い出しただけでも泣けてきた…

 

 

※トミーを撃った看守役はクランシー・ブラウンです。見た当初はこの看守に怒りを覚えてましたが、今思えば「Detroit」のハンクなんですよね…俳優ってすごい

まとめ

いやぁ、人生観がごっそり変わるほどの作品でした。
本当はメインであるアンディとレッドの物語の部分も語りたかったのですがえぐ過ぎる文字数になる事が予見されたため、いつか別の記事としてアップさせてください。
この二人は罪や生き方等の学びを教えてくれたので、是非とも今回以上に語り明かしたいですね。

ではまた別の記事でお会いしましょう。

『ロリータ』恋に溺れると碌なことがない…ある男の悲惨な物語

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映画『ロリータ』の紹介

概要

『ロリータ』(Lolita)は、1962年のイギリスの映画。ウラジーミル・ナボコフの同名小説を原作とし、ナボコフ本人の脚本でスタンリー・キューブリックが監督した作品。上映時間152分。モノクロ。日本での公開は1962年9月。

(Wikipediaより引用)

(※エイドリアン・ライン監督による1997年公開の『ロリータ』とは別物です。今回の記事ではほとんど触れません。ご了承ください。)

出演・監督

ハンバート・ハンバート
演- ジェームズ・メイソン(横森久)

ドロレス(ロリータ)・ヘイズ
演- スー・リオン鈴木弘子

シャーロット・ヘイズ (ロリータ母)
演- シェリー・ウィンタース水城蘭子

クレア・クィルティ
演- ピーター・セラーズ羽佐間道夫

ヴィヴィアン・ダークブルーム
演- マリアン・ストーン

メアリー・ローレ(看護師)
演- ロイス・マクスウェル

監督 - スタンリー・キューブリック


あらすじ

霧深い日、中年男が荒れ果てた大邸宅を訪ね、
ドロレス(ロリータ)・ヘイズの件で脚本家のクィルティという男を射殺した。

その4年前、射殺犯となるハンバートは、秋からアメリカの大学で講義することとなったため、パリからアメリカにやってきた。その前の一夏を保養地で過ごすこととし、下宿候補シャーロット・ヘイズ未亡人宅を訪れた。シャーロットは書籍委員会の会長で、前回の講演ではクィルティを講師として呼んでいた。ハンバートは、帰り際に美少女を見て、一目惚れする。少女は、未亡人の娘ドロレス、通称ロリータであった。

(Wikipediaより引用)

 

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『ロリータ』を見た感想・考察(ネタバレあり)

『ロリータ』の視聴の感想

なんといいますか…私がこの映画を見た理由が
ロリコンの大元でしょ?どんなのかな?やっぱ変態臭いのかな?うふ
という邪な気持ちで見たんですよね…

視聴後はもう、なんか…馬鹿にしてごめんなさいってなりました。

前情報でキューブリック版はかなり原作と違うと聞いていたので、
「まあ…キューブリックだしそうだろうね」と思いつつ。
原作を読みたくなりました。今度購入してみよう…。

端的に申しますと。
「行き過ぎた愛は身を滅ぼす」。これに尽きる。

ん?ロリコンの語源にもなった作品なのに、
肝心な少女性愛はどうなんだって?

私が見た感じではそこまで
ロリコン!!!」とは思いませんでしたね。
どちらかというと愛するきっかけと申しますか、
一つの要素でしかないかなと感じました。

これはロリータ役のスー・リオンさんが当時15歳で、
役より年上だからというのもあるんでしょうね。
素敵な美しい女性、という風にも見えるからかなと思っております。
(原作は12歳、この映画では13歳という差もありそうです。)

話が反れたので感想に戻りますと、
私個人的には、全く感情移入はしませんでした。
人の破滅を淡々と見ていくと言うような…
アレです。俯瞰的に見ていました。

だってですね、全員狂ってて人間味がなくて…w
唯一ロリータのお母さんが普通な気もする(立場的には腹立つけど)。

悲恋といえば悲恋なのかな…
でもどっちかっていうと「あーあ。」てな感じです。

感情移入せずに見るのも乙なものですよね。
性描写も全くなく、とても見やすかったです。
とても興味深い内容でした。

 

 

 

 

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『ロリータ』解説・考察(ネタバレあり)

 

ここからは人物別に考察したものを解説していきたいと思います。
時系列で解説も考えたのですが…
巨匠キューブリックの映画はどうしても長くなりそうなので許してください…。

時系列やストーリーそのものが気になる方は是非本作を見てみてくださいね。

 

ロリータを愛しすぎて人間性を失ったハンバード

あらすじにもある通り、ハンバートは大学の講義に出席します。
講義の帰り道に、とある美少女が居ました。それがロリータです。

(関係ないけど名前はハンバート・ハンバートです。マリオみたいですね。すげえ名前)

もちろんハンバートは一目惚れします。
(まあそうじゃなきゃこの作品はなかったことになりますし)

ハンバードは彼女がニンフェットだといい、恋に落ちます。
(おそらく大人な恋愛…性的欲求も含まれているかと)

ここでニンフェットってなんぞや?と思いますよね。
ええ。ハンバードによる造語だそうです

ニンフェットとは

ニンフ (ギリシャ神話の美しい妖精) を語源とする用語であり

9歳から14歳までの少女をさす語ではあるが、
異性を引きつける性的な特徴を (心理学的な要素を含めて) なんら示さない女児には用いられない。
ニンフェットはその2倍も何倍も年上の魅せられた者に対してのみ、
人間ではなくニンフの本性を現すような乙女である。
男性がニンフェットの魔力に屈するには乙女と男との間に年齢差が必要であり、それは10歳差以下ではなく、
一般的には30~40歳差だが、90歳差の例もあるとしている

 
(Wikipediaより引用)

 

細かい定義はあるようですが、
どうやらどことなく魅力を感じる9歳~14歳程の少女のようです。
相当な年の差が必要なようで…めんどくさいですね。


とにもかくにも、ロリータにニンフェットを感じたハンバードは
彼女に対して激情を抱くようになります
行き過ぎた愛です。

どれぐらい行き過ぎかというと
ロリータの母親、シャーロットに惚れられて求婚されるんですけど、
そのまま結婚してしまいます。
愛しているのはロリータなのにその母親と結婚…
何故か?
それは「ロリータと一緒に居れるから」。

ヤバくないですか…
歪んでいる…

そして、肝心の奥様には興味ない。
寧ろ熱烈な『抱いて』アピールも鬱陶しく感じるようです。
気持ち悪いなこのオバハンぐらいの感情です。
(そのハンバードの表情のお陰で、シャーロットの色仕掛けも物凄く滑稽に見えます。)

シャーロットもシャーロットで夫婦生活にロリータは邪魔だと判断し
ロリータはキャンプ(寄宿)に送られてしまいます。
なんだよそれ。

ですが結婚した本当の目的がシャーロットにバレてしまい、
シャーロットは激怒しながら家を飛び出し、
その際に事故で亡くなってしまいます。

ハンバードは厄介払いが出来たとでもいう様に、
義父の立場を利用してロリータを連れ戻します。
ちょっとぐらい悲しめよ…

その時二人で泊まるホテルで…
理性が働くわけもなく、ハンバートとロリータは体で結ばれた訳です。

体だけ。


前半部分をさらっと説明しましたが、ヤバくないですか…この人物たち
母親は娘が邪魔で、
ハンバードは母親が邪魔で。
娘は好き勝手にしている。

ロリータもロリータでハンバードをしっかりと落とそうとしてるし。
13歳ですよ??

前述した「狂っている」の意味が分かるかと思います。

記事トップに記載している画像…オープニングのシーンなんですが…。

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これ。
ロリータのペディキュアを塗るハンバードです。

何ともムーディで上品なエロティック。

ハンバードがロリータに隷属しているように見えます。
見えるってかしてるんですけどね。
ロリータが「従いなさい」といってる訳でもなく、
ハンバートの自己満足。

このように、ロリータを連れ戻したハンバードはエスカレートしていくんですよね。

ロリータが高校での演劇に出演するという話に大反対。
精神科医(クィルティ?)に演劇+ある程度の自由を与えるべきと言われ、
束縛がやや行き過ぎた頃には

お前は俺と一緒に居れるんだから楽しいに決まってる(超意訳)

とのたまう始末。
いやぁ…醜いですねえ。
自分好みの男性に言われたとしてもドン引き必至です。

ロリータを旅に連れ出すもクィルティに連れ去られ、
その数年後別の男と結婚し妊娠したロリータからお金の無心をされるという…

ハンバートはそこで全財産をはたき、ロリータに逢いに行きます。
その時に現れたのは以前の魅力のあるニンフェットのロリータではなく、
太って醜くなったロリータでした。

そこで諦められたらどんなに良かったでしょう。
ええ。視聴者が願ったまともさの欠片もなく

俺の元へ来い(超意訳)」

と縋るように言うんですよね。

私「頼むハンバート…!これ以上生き恥を晒さないでくれ!」

それに対しロリータは手酷く振ります。

あなたの事沢山騙してきたけど、
世の中そんなもんよね(キャピ☆)

と。

もはや何の言い訳にもなってないし悪びれてない…w

その後、ハンバートはクィルティを殺しに行くわけですね。
冒頭につながるわけです。

おーおー。クズ同士好きにやってろ。と思いながら見てました。
見事殺人犯になり、裁判の判決を待つことなく病死。

無茶するし、報われないし、なんだこいつ。
ほんとなんなんだこいつ…

ハンバートに対して私が感じたのは共感性羞恥ぐらいです…w

おそらくですが、キューブリック版のハンバートは
ロリータと出会う前はかなりマトモな人間だったんじゃないかと思います。

その少女性愛をひた隠しにして、
教授として、普通の人間として生きていたんだろうな。

少女性愛を偏に悪と言うのもおかしな話ですけどね。
本来はただただ狭き門で理解されない性的嗜好というだけ。
理解されず、実行すれば罪になる。つらい立場だと勝手に思ってます。
本当に悪なのは、その欲望を満たす為に行動する輩ですから。

その輩のトリガーを引いたロリータは本当に魔性の女です。





魔性のロリータにも愛する人はいた

ハンバートの項目で、粗方人柄は伺えたかと思いますが、一応。



まずハンバートと出会った庭でのシーン。
彼が「好意的」「性的」な目で見ている事を
恐らくですがしっかり分かってます


「へぇ、あたしの事そんな風な目で見るんだ」


とでもいう様に。

何故か?
それは「男を知っているから」。

ふぁ!?となりますよね。
私も脳内整理した時なりました。

ハンバートが初めてなんじゃないの!?と思いました。

違います。
初めての相手はクィルティ
ハンバートと出会う前…彼女はクィルティによって「女」になったのです。

そこでロリータは映画監督のクィルティに惚れたのです。
(いや、惚れたから抱かれたのか…)

それにしてもクィルティまじでクソ野郎だな

だから、ハンバートからのしつこいぐらいの好意は、
「へぇ」「じゃあ都合よく使ったろ」ぐらいにしか思ってないんですよね。

寧ろ物語の後半はウザったく感じてますし。

この構図、シャーロットとハンバートの関係に似てますね。
シャーロット→ハンバート→ロリータ→クィルティ
虚しい連鎖です。

ホテルで結ばれた日は、実は誘ったのはロリータ側なんですよ。
分かっててハンバートを誘ってます。
恐ろしい子

こんなにも幼くも妖しいロリータですが、
母親に対してはさほど醜い感情はなかったようで。
シャーロットの前ではただの反抗期の娘であり、
母の死を知った際は悲しむ。そんな一面も見せました。
(その直後ハンバート誘惑しとるけどな)

自分への熱い視線の意味を分かっていながら自身の母親と結婚したハンバート。
そんな人間に対する感情はやっぱり「へぇ」程度なんでしょうね。

なので一見素敵な関係になれたように見えますが
ロリータはあくまでハンバートをオトす…すなわち惚れさせ夢中にさせるのが楽しかっただけ。それだけです。

本命のクィルティはというと、
「君を映画スターにする」とロリータに甘い言葉をかけ
ハンバートと離れるための協力はしてくれたのですが、
その映画とはピンク映画(ポルノ)であり、ロリータが望むものではなかったのです。

なんと滑稽でしょう。
ハンバートに偉そうに言えないぐらい情けない。

アレですかね。
自分の夢を叶えるために自分の魅力を最大限に生かした人生のつもりが
パパ活でしか活かせなかった、と言ったところでしょうか。

 
という虚しい結果ではありますが
犯罪者にもならず、死なずに結末を迎えたのはロリータのみです。
結婚して妊娠して…ちゃっかり幸せになってやがる…w

 

 

まとめ

ある人が見れば「悲恋」
ある人が見れば「変態臭い」
ある人が見れば「なんだこれ」
ある人が見れば「ドロドロして面白い」

今回はそんな映画を語ってみました。
ロリコンの語源だから…と思って邪な目で見た私は変態なのか…

綺麗な愛の話に飽きた方に是非お勧めしたい作品です。

とは言え視点が違えば物凄く意見が分かれそうで面白い内容なので、
機会があれば皆様見てみてください。

現状は次の映画は決めていません。
洋画であることは確実だけど!

『セブン』驚愕的なストーリーにファン多数!!名作の魅力に迫る

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映画『セブン』の紹介

概要

『セブン』(Seven, 劇中の表記は"Se7en")は、猟奇殺人を描いた1995年のアメリカ映画。監督はデヴィッド・フィンチャー

キリスト教七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス。先鋭的な映像センスと、ノイズを活用した音響により、シリアスかつダークな独特の世界観を描いている。

4週連続で全米興行成績1位に輝いた大ヒット映画であり、IMDBでは『第三の男』、『シャイニング』を上回る評価を得ている。

 

Wikipediaより引用

 

出演・監督

デビッド・ミルズ刑事

演-ブラッド・ピット

 

ウィリアム・サマセット刑事

演-モーガン・フリーマン

 

トレイシー・ミルズ

演-グウィネス・パルトロー

 

警部

演-R・リー・アーメイ

 

ジョン・ドゥ

演-ケヴィン・スペイシー

 

 

監督

 デヴィッド・フィンチャー

 

あらすじ

雨の降り続く、とある大都会。

退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事サマセットと、血気盛んな新人刑事ミルズは、ある死体発見現場に急行した。

死体は信じられないほど肥満の男であり、
彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。

死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂
状況から、何者かによって手足を拘束され、
銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明し、
殺人事件と断定される。

サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、
現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する。

Wikipediaより引用

 

 

『セブン』を見た感想・考察(ネタバレあり)

 

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『セブン』は是非何度も見てほしい

まず、私の感想としましては、

ミルズを救いたかった」の一言に尽きます。

ひとえに胸糞が悪いというのも少し違うかもしれません。

 

七つの大罪をモチーフにした劇場型殺人事件というのも、

かなり興味深いものでした。

 

ただ、ご遺体や被害者の映像がかなり凄惨で、

非常にインモラルな光景となっております。

 

(リアルタイムで四肢を切断!!目玉ボーン!!

というようなシーンは皆無ではありますが)

 

それに続くご遺体の状況の説明も、しっかり状況把握できると共に

しっかりその光景を想像してしまうので、

ゴア表現や陰鬱な雰囲気が苦手な方は視聴を避けてください。

 

 

と、注意喚起で話が前後してしまいましたが、冒頭の感想に戻ります。

ええ。誰がどう見てもバッドエンドです。それも最悪の。

視聴者が考えうるバッドエンドの中で一番最悪です。

 

クライマックスでミルズが銃をジョン・ドゥに向け葛藤するシーン

私は一生忘れません。

 

究極の二択とよく言いますが、

そんな言葉に収まらない比重というのがものすごく伝わって…

見てる私も本当に辛かったです。

 

このシーンの直後は、

ジョン・ドゥにキレ散らかすのではなく

サマセットに「もっとミルズを止めてやれよ!!!!おん!!???」

と不当な怒りをぶつけていましたね。

ごめんねサマセット。

 

何度も視聴しましたが、そのミルズのシーンを抜きにしても

素晴らしい映画でした。

 

冒頭のサマセットの神経質さを示唆するシーン。

ありましたよね。メトロノームの音を聞きながら寝るところです。

 

不眠症の方が睡眠促進のためによく使う方法です。

故にサマセットは何かの不安神経症か何かで不眠症を患ってるのかなと

自然に考察することが出来ました。

 

途中、メトロノームを破壊しナイフをダーツの的に投げるシーンありますよね。

あのシーンも気迫があってサマセットの心情がよく伝わります。

 

そして、個人的に泣いてしまったところは、

トレイシーが身ごもり、

奥さん自身がその件をミルズではなくサマセットに相談するシーン。

 

トレイシーはミルズの子を身ごもり、

自分は産みたいけど

この町の治安や状況を考え

ミルズに打ち明けるべきか…

とサマセットに相談します。

 

女性(特に妻や母親の立場の方)なら

トレイシーの気持ちは痛いほどわかると思います。

 

サマセットは過去に内縁の妻が居ましたが

その際にその女性が妊娠。

この酷い街で、こんな酷い世の中で

自分たちの子供を誕生させたくないという思いから

女性に中絶を提案し説得しました。

結果、中絶することになったようです。

 

判断は間違っていなかったとしても、

今まで一日として「違う決断をしていれば」と思わない日はないと、

そっとトレイシーに語りました。

 

 

その上でサマセットは

決して「うんうんわかるよ、辛いね」という責任逃れの共感ではなく

「産めば?」というような適当な誘導でもなく

「避妊するべき」というような非情な言葉でもなく

 

子供を産まないつもりなら妊娠は内緒にしろ
だが、子供を産むなら…


精一杯甘やかして育ててやれ

 

と、トレイシーの決断に委ねつつ、強く言いました。

 

トレイシーの涙ぐむタイミングが本当にリアルで…

一緒に泣いてしまいました。

 

あと関係ないですけど、びっくりするぐらい爆笑してるモーガン・フリーマンが見れるのは

この映画ぐらいでしょうね…w

(ほかにあったらごめんなさい)

 

 

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『セブン』七つの大罪になぞらえた殺人事件を解説

セブンといえばストーリーもさることながら

凄惨な殺人事件の内容も魅力ですよね。

 

しかも七つの大罪になぞらえたもの、となると

生来から厨二病を患っている私はものすごく惹きこまれました。

 

ミルズとサマセットを取り巻く

その殺人事件について語っていきたいと思います。

 

七つの大罪について

とても有名な七つの大罪ですが、

これ自体は罪ではないことはご存じでしょうか?

あくまで『罪に繋がる感情』を表すものになっており、

戒めのようになっています。

カトリック教会が主に使用している言葉ですね。

 

内容は↓

 

暴食 → gluttony
強欲 → greed
色欲 → lust
憤怒 → wrath
怠惰 → sloth
傲慢 → pride
嫉妬 → envy

 

というものになっています。

対応している悪魔など、もっと詳しい話もあります。

そう言った話はキリスト教で設定されたというよりかは、

民間的であるグリモワールで設定されたものなので、

必ずしも正しいわけではありません(諸説あり)。

 

今回はあくまで映画『セブン』の話なのでまたの機会に。。

 

 

……( ^ω^)

 

 

…悪魔だけに(ボソ)

 

 

『セブン』での七つの大罪の殺人事件の関連

では、七つの大罪になぞらえた事件を

時系列で見ていきましょう。

(内二つは大ネタバレなので、

赤字でワンクッション設けます。

 

1、暴食の事件

被害者:肥満体形の男

死因:内臓破裂・窒息

パスタ山盛りの皿に顔を突っ込んだ状態で発見。

犯人に銃を突き付けられ、

食べ続けることを強制され、

食べ続けた結果犯人に暴行された際に内蔵破裂。惨い。

現場の冷蔵庫の裏に脂で「gluttony(暴食)」と書かれていた。

 

2、強欲の事件

被害者:悪徳弁護士

死因:大量出血

自宅オフィスで血まみれの状態で発見。

床に座った状態で右手以外を縛り付けられており、

その右手で自分の肉を1ポンド差し出すよう強要されていた

切り取られた肉はハカリに乗せられていた。

カーペットに大量の血で「greed(強欲)」と書かれていた。

※現場にあった、

1ポンドきっかりの肉を。骨も軟骨もない肉だけ。それを成せば自由にしよう

というメモは、シェイクスピアベニスの商人の引用。

畜生、おしゃれなことしやがる。

 

3、怠惰の事件

被害者:この一連の容疑者(ビクター)

死因:死んでません

サマセットとミルズ(というか他の警察たちが強引に)突入した家で発見。

見て取れるように痩せこけて、ほぼミイラ。

両手首は切断されており、舌も切られておりましたがこの人生きてます。

まぁ、そうだとしても廃人同然…

結果病院に運ばれましたが、目に光を当てられるだけで死ぬレベルに

衰弱。yes生き地獄。

(ベッド脇に大便、爪、小便etc…のサンプルが置かれていた。キモい)

壁に『sloth(怠惰)』と書かれていた。

 

4、色欲の事件

犠牲者:娼婦

死因:性器の殺傷による大量出血

娼館のベッドで発見。

真犯人にナイフの付いた貞操帯のようなもので

娼婦を犯すようにと強要され、男が実行。

結果、娼婦は下半身ズタズタに、男は狂乱状態に。

まるで中世の拷問。

現場のドアに『lust(色欲)』の文字が書かれている。

 

 

5、傲慢の事件

犠牲者:モデル

死因:睡眠薬の過剰摂取

とある部屋で発見。

被害者は美人モデルで、その美貌を武器にして生きてきた様子。

犯人に顔を切り裂かれ、右側には電話、左手には睡眠薬

病院に助けを求めれば命は助かるが、顔は醜いまま。

それが嫌なら睡眠薬を飲んで自殺しろという、

酷な選択を迫られたようで、このモデルは自殺を選んだ。

部屋の壁には『pride(傲慢)』と書かれている。

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

5、嫉妬の事件

犠牲者:トレイシー・ミルズ

嫉妬の罪人:ジョン・ドゥ

死因:首を切断され死亡

ジョン・ドゥに指定された場所に着いた際、

一つの小包みがミルズに届きます。

開くと、彼の妻…トレイシーの生首が。

トレイシーはジョン・ドゥの事件に巻き込まれたのです。

 

 

5、憤怒の事件

犠牲者:ジョン・ドゥ

憤怒の罪人:デビッド・ミルズ

死因:射殺

トレイシーが殺され、ただでさえまともでいられないミルズに

ジョン・ドゥは「彼女は妊娠していた」と告げ、

ミルズはジョン・ドゥに銃口を向け、葛藤します。

サマセットの制止虚しく、ミルズはジョン・ドゥを射殺

 

 

嫉妬と憤怒の仕組み

これを読んだ際、

知ってる人は「あー…そうだわ」ってなるし

知らない人は「!?」ってなりますよね。

 

何とも巧妙で胸糞展開。

 

ですが気になることがあります。

 

傲慢までの殺人は罪人と犠牲者が一致していましたが

何故嫉妬からは罪人と犠牲者は一致していないのでしょう?

 

理由は

ジョン・ドゥは自分が殺されることで

この事件を完成させたかったのです。

 

犯人が一連の事件で自ら死を望む、

それも手口が他殺の場合…

殺す人間が必要ですよね。

 

その為ミルズ夫妻を巻き込んで

ややこしいカラクリにしたと思われます。

 

ジョン・ドゥはなぜ自分が殺されたかったのかは後述します。

 

 

 

『セブン』事件の真相について考察

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ジョン・ドゥの目的

先ほどジョン・ドゥは

『自身が殺されることによって事件を完成させたかった』

と述べましたが、

その理由を考えます。

(考えなくても映画見りゃ一発でわかることですが)

 

ジョン・ドゥはもともと信心深いキリスト教徒です。

そして強く「殉教者」になりたいという希望を持っています。

 

察しの良いお方ならもうお分かりかと思います。

 

1つ目は、そう。


殉教したいが為に
自身が死ぬことを想定した事件を練り上げたのです。

殉教・・・自分の信ずる宗教のために命を捨てること。または命を捨てる事。

 

 

殉教することにより、より神に近い存在(聖人)となる。

七つの大罪の中で一番天国に近い「嫉妬の罪」を背負い、主の為に命を落とす。

 

これが一番の理由ですね。

筆者はキリスト教には明るくありませんが、

人として最悪な方法を取ったなぁ
ていうか宗教的にも駄目だろ…

と思っていました。

 

けど、もしかしたらキリスト教の「システム」的には

殉教者と認められるのかもしれませんね。

 

知識不足で申し訳ない。

後程調べておきます。

 

二つ目は、「法で裁けない罪人を自身が裁く」事。

 

ミルズは、ジョン・ドゥに
「お前は罪もない人たちを殺した」と
挑発したように言います。

 

ですが彼が言うには、

 

あの肥満男は満足に立つこともできず、
あのまま人前に出れば誰もが嘲笑い、
食事中にあいつを見れば食欲は消え失せる

 

暴食の事件のことですね。
要約すると人の為にも、肥満男の為にも殺した方がいい、という事でしょうか。

筆者「お前が決める事じゃねえ

 

あの弁護士など、感謝状をもらいたい。
あの男は生涯をかけて強欲に金を稼ぐためにあらゆる嘘をつき、
人殺しや強姦魔などを街に放していた

 

強欲の事件。

確かに被害者は卑劣な弁護士で、
こいつのことを殺してやりたい人は多かったでしょうね。

筆者「必殺仕事人かなにかか

 

ヤク中など、肛門愛好者だ

 

これはたぶん、怠惰の事件ですかね。
肛門愛好者…w訳が分かりにくい…w
おそらく、ヤク中はクソ野郎だって事でしょうね。

筆者「麻薬は自己責任かつ自業自得、君が出しゃばらなくても法で裁けるだろ

 

 

あの女!心が醜くて見かけだけしか生きられない

 

いますねそんな人。傲慢の事件の被害者の事でしょう。
ただ、死に至るほどの罪でもないような気がします。

筆者「僻み混じってないか君

 

あの性病持ちの娼婦…この腐った世の中で誰が本気で奴らを罪のない人々だと…?

 

色欲の事件の娼婦の事でしょう。
エイズなど怖いですからね。
ですが娼婦の身の上も理解せずにそう言った理由で殺すのはちょっと…

筆者「性病移されたんか恨みでもあるんか

 

※赤字で突っ込んでいますが庶民の考えを代表して言ったつもりです。
映画を貶す目的ではございません

 

かなり人間を俯瞰で見ていますね。
彼の敬愛する主にでもなったつもりなのでしょうか。
大洪水を起こして、腐った世の中で生きている人間を全員殺して
新しい世界を作るとでも言いたそうな。

 

ていうかそのシーンで言ってますね。
「ソドムのように」って。

ソドム…聖書に登場する都市。天からの硫黄と火によって滅ぼされたとされ、
後代の預言者たちが言及している部分では、
例外なくヤハウェ
の裁きによる滅びの象徴として用いられている。
また、悪徳や頽廃の代名詞としても知られる。

 

 

ただ、ところどころ正論もあってぐうの音も出ない所がもう…
大悪党ですよね。

 

私、悪役大好きなので、ジョン・ドゥはかなり魅力を感じます。
自分の信念が映画通してぶれていないし。
何より不気味。表情が分からない。
ケヴィン・スペイシーの怪演に完敗です。

 

話を戻しまして、

一見ちぐはぐな事件の内容ですが、しっかり理由がある事は

ご理解いただけましたでしょうか?

 

筆者自身、読み取れはしますが、
ジョン・ドゥの頭の中は理解できません…w

 

衝撃のラスト!サマセットは本当に真犯人なの?

セブンの記事ってたくさんありますよね。
大手のブログだったりメディアだったり。

その中でこんな言葉を目にしたことはございませんか?


「サマセット真犯人説」

 

ええ。なぜそんな事になっているかというと、
上記でも解説しましたが、ミルズはジョン・ドゥを殺害してしまいます。

その際に、サマセットはミルズを止めきれず…という展開なんです。

 

サマセットがミルズを止め切れていたら、
ミルズは「憤怒の罪人」にもならず、殺人犯にもならずに済んだ場面なんですよ。

なので、
「止めなかったのは故意」という推察が
行き交うようになったんですね。

考えれば、筆者も視聴時、漠然と思っていました。

  • ジョン・ドゥと鉄塔に向かうシーン時、ジョン・ドゥとサマセットは
    どこか分かり合っているように見え、ミルズが取り残されている印象

  •  それ以前に共通点が多すぎる。世の中を嫌っている云々だってそう。
    子供を堕ろす決断の理由が「こんな世の中に生まれるなんて可哀そう」という独りよがりだった。

  • ラストのセリフ「ヘミングウェイが言っていた「この世は素晴らしい。戦う価値がある」後の部分は賛成だ」。ジョン・ドゥのように…?

という感じに。
似てますよね。人間的に理解しがたいところだって。

 

ですが、安直になりますが
サマセットが真犯人(または協力者)だとして
ジョン・ドゥ側は後半のタイミングで一連の事件が完成する、と確信できますよね。
警察を見事手の上で転がせているのですから。

その場合、サマセットは喜びや達成感を感じることはあっても、
イライラすることはないのでは…?
上述した、メトロノームを壊すシーンです。

明らかにイラついてますよね。
筆者はそのシーンを素直に「犯人の思い通りになっていることへの苛立たしさ」ととらえています。

加えて、佳境のミルズが撃つか撃つまいか葛藤するシーン。
止める際に「よせ、こいつを殺せばこいつの勝ちだ…」と言ってますよね?

ジョン・ドゥ側でそんな言葉掛けるかな…と思った次第です。

ええ。筆者は「サマセットは真犯人ではない」と思います。

理由が弱くて申し訳ありません。
見たままを信じたいと思っております。

 

でもサマセットがこの事件を介してミルズに出会わずそのままだったら、
間違いなくジョン・ドゥと同じことをするだろうなという感想。

嫌な世の中に生き続け、良識があり警察として犯罪を取り締まっていたサマセット。
嫌な世の中に鉄槌を食らわせ、神に近づくためにこの世を捨てたジョン・ドゥ。

 

そう思うとラストのセリフのとらえ方がかなり違ってきますよね。
クソッタレな世の中だが、物事と戦う価値はある。
→生きる価値がある、ととらえています。

 

真逆ではありませんか?

 

ジョン・ドゥはサマセットの成れの果ての姿だと思ってます。

「うるせぇ馬鹿!真犯人に決まってんだろ!」
と思う方はいるかもしれませんが、受け付けません(横暴)

 

 

まとめ

 いやー長かった…w
映画自体は2時間ちょっとなのでそこまで長くはないんですけどね…
ものすごく考えることが多かった…w
おそらく、まだまだ考察の余地はあるんだろうなと思っています・

このブログもかなりの長さになってしまいました。

しかし、随一の面白さでしたよ!
何せブラピとモーガン・フリーマンですからね!(俳優かい)
脚本に始終驚かされた、という感想です。
自分の中で上位にランクインですよこんなの…!
まぁ、旦那はSAN値ピンチで視聴後グッタリしてましたけどねw

 

次回はまた違う毛色の記事を投稿するかと思うのでよろしくお願いいたします。

 

閲覧ありがとうございました。

『ジョン・ウィック』魅力的なアクション!世界一の執念を持つ殺し屋

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映画『ジョン・ウィック』の紹介

 

 概要

 

(原題: John Wick)は、2014年に公開されたアメリカ映画。

 

引退した凄腕の殺し屋の復讐劇を描くアクション映画。
キアヌ・リーブス主演兼・製作総指揮。R15+指定。

 

マトリックス』など数々の映画でスタントやスタントコーディネーターを手がけたチャド・スタエルスキの初監督作品。
日本のアニメ、マーシャル・アーツ、殺陣、香港映画のカンフー、マカロニ・ウェスタンから影響を受けたアクションが特徴

 

興行的成功を受けシリーズ化され、続編『ジョン・ウィック:チャプター2』が2017年、第三作の『ジョン・ウィック:パラベラム』が2019年に公開された。

 

Wikipediaより引用

 

出演・監督


ジョン・ウィック (ジョナサン・ウィック)
演 - キアヌ・リーブス、日本語吹替 - 森川智之

ヴィゴ・タラソフ
演 - ミカエル・ニクヴィスト、日本語吹替 - 堀内賢雄

ヨセフ・タラソフ
演 - アルフィー・アレン、日本語吹替 - 金城大和

マーカス
演 - ウィレム・デフォー、日本語吹替 - 山路和弘

ウィンストン
演 - イアン・マクシェーン、日本語吹替 - 安原義人

ヘレン・ウィック
演 - ブリジット・モイナハン、日本語吹替 - 竹内絢子

 

チャド・スタエルスキ 
監督

デレク・コルスタット 
脚本

 

あらすじ

 かつて裏社会にその名を轟かせた凄腕の殺し屋ジョン・ウィックは、
5年前に最愛の女性ヘレンと出会い足を洗う。
平穏な結婚生活を送るジョンであったがヘレンが病で亡くなり、生きる希望を失う。


だが、ヘレンは残される夫を心配して仔犬を手配しており、
その存在がジョンの新たな希望となりつつあった。

 

その矢先、
ジョンの愛車フォード・マスタング・BOSS429を狙った若者の強盗に家を襲われ、
車を奪われただけではなく仔犬も殺されてしまう。
大事なものを再度失ったジョンは、復讐のため、裏社会へ戻ることを決意する。

 

Wikipediaより引用

 

ジョン・ウィック』を見た感想(ネタバレあり)

 

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ジョン・ウィック』はアクションが魅力

アクションと言えば、

 

クロバット

ド派手なカーチェイス

主人公が悪戦するほどの強い敵!

 

というイメージが強いのですが、

この映画、実はそんなアクションシーンはありません。

主人公のジョンはしっかり地に足を付けて、

物理法則を無視したアクロバットなどは一切していないんですよね。

(マトリックスは常人では不可能な動きばかりでしたが)

 

銃を持つと必ず致命傷を与えるジョンですが、

丸腰であれば蹴る、殴る、躱す、投げる、首を折る…

と言うようなリアリティ重視のアクションでした。

 

カーアクションもスピードでギュインギュインするのではなく、

衝突で車を破壊したり。

 

私的にはものすごい刺さりましたね。

殺し屋がそんなド派手なことしてたまるかと思っていたので。

(ダニエル・クレイグが初めて演じた(カジノロワイヤル)

諜報員の某ジェームスボンドは初っ端ビルの壁ぶち破ってたし…)

リアルなアクションなのに、どこかスマート。

キアヌ・リーヴスにピッタリでした。

 

監督はなんとキアヌの名作『マトリックス』のスタントの方だったんですね!

通りでこだわりを感じたわけだ…

(さっき常人では不可能とか言ってたじゃねえか)

 

後述するのですが、

ジョンは「最強の殺し屋」なので

ずっと無双状態。

他のハリウッド映画ではあまり見ない

主人公が最強で負け知らず」というシチュエーションも

私的にはとてもよかったです。

 

敵をどうやって倒す…?

どうすれば勝てる…!?

というような苦悩や葛藤もございません。

最強」ですから。

 

人によってはその苦悩や葛藤のシーンが

楽しみだと思う人も多いかもしれませんが

ストレスなく見れるかと思います。

 

ジョン・ウィック』裏社会を魅力的に表現

 この映画のもう一つの魅力は

何を隠そう「裏社会組織」での話がメインなので

なんせかっこいい!!!

 

男性なら「マフィア」「殺し屋」という単語を聞いて

ウキウキしない人はいないでしょう。

あと、他の人間に悟られたくない会話はロシア語で話したりしてて、

個人的に「クゥーーーー!!!」と悶えていました。

 

特にこの映画は、

 ホテルを拠点に

「裏社会組織の独自のコミュニティ」

形成されてるんですよ!!かっこよくないですか!!

 

どういうことかと申しますと

 

コミュニティだけで通用する独自の通貨があったり

拠点のホテル

(コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク)があったり、

そのホテルでの掟が命がけレベルで厳しかったり。

 

マフィアや殺し屋しかいないホテルって…厨二心を擽られます。

 

ホテルでの掟は

 

「コンチネンタルホテル内での殺しは禁止」

 

これは、オーナーのウィンストンが設けている掟です。

この人、その裏社会でも絶大な権力があって、

その掟を破った人は皆制裁を食らってます。

まあ、制裁と言っても殺害ですけど。

ウィンストンは続編でもしっかり出ていますので見ものですよ。

 

 

このホテルでさえ優遇されるジョンっていったい…何者なんだ…

 

 

 

ジョン・ウィック』殺し屋無双!ブギーマンって何?

 

ええ。前述したとおり、ジョンは強すぎて無双です。

なぜなら、全マフィアが恐れる「必ず仕事をこなす男」だからです。

 

ジョンの愛犬を殺し車を盗んで意気揚々と帰ってきたボスの息子。

その息子を呼び出してボスは

 

お前わかってんのか?ジョンウィックやぞ!?ブギーマンやぞ!?

ワシらも『絶対殺せない相手』を殺せって依頼した事あるんや

ジョンはそれを淡々とこなしたんやぞ!?

 

ジョンは世界一執念深い!一度殺すと決めたら絶対に殺す!!

 

あいつの伝説知ってるか?

鉛筆一本で3人殺したんやぞ!!鉛筆一本で!!!

 

お前が喧嘩売ったのはそんな相手や!!

そんな奴を相手にする覚悟できてんのか!!?おん!?(超要約)

 

と息子を殴り飛ばしながら語りました。

ブギーマンとは、「闇の男」と言う意味。

通り名ですね。

 

これで最強具合がうかがえますよね。

マフィアのボスがビビるって相当ですよねえ…

 

案の定ジョンはそのマフィアを潰すのですが、

 

この最強具合ですので

どんなに人込みがあろうが、襲い掛かってきた標的だけを撃って殺せるし

肉弾戦も最強です。

 

まあ、人並みの大怪我は食らいますけど、

それだけ最強だから、ストレスも「負けるかも…」という不安もなかったです。

 

怒りを込めながら、

ただ静かに標的を殺していくジョンは

人間離れしていて見ていて「すげぇ…!」の嵐ですよ!

 

 


ジョン・ウィック』のストーリーのテーマは「愛」!?

 「復讐」じゃねえのかよ!

と思った人はたくさんいるかと思います。

 

うん、私も「復讐」だと思ってます。

なんとなく見ただけだと

 

「犬殺されて、車盗まれた殺し屋がブチギレて

組織丸々皆殺しした(やりすぎ)」

 

だけに見えますもんね。

ゴッドオブウォーのクレイトスさんもびっくりですね。

 

そりゃ、犬は大事!!

殺したらあかん!!

けど皆殺して…犯人だけでええやん…

 

 

ただ、かなり前にこの映画父にお勧めされて視聴したのですが

父曰く

「愛情に溢れた元殺し屋」だとの事。

 

ああ、確かに…と思いましたね。

 

「愛する妻の為に殺し屋を辞めて平穏な生活を選び、

妻が死ぬ前にジョンが一人になることを心配して妻がこっそり犬を飼っていた

妻が亡くなり、寂しいけどその犬のおかげで穏やかな生活が出来ていた。

その犬を殺されて、おまけに愛車まで盗まれる

犯人は元雇い主だったマフィアのボスの息子」

 

まあ、そりゃ殺し屋に戻って復讐したくなりますわ…

父の言う通り、愛情に溢れてます。

 

ただ、この妻のシーンが最初の最初でかなり短かったので

視聴中はそういった印象はありませんでした。

 

もうちょっと…うん、

もうちょっとでいいから深堀りしてほしかったなあ…

素敵でジョンの人間らしさが垣間見える設定なのに

本当に最初だけだったからなあ…

なんだったらマーカス(親友)の描写も増やしてほしかった…

マーカスもかっこよかったのに…

という感想ですね。

 

アクション映画あるあるですけどねw

 

 

まとめ

 

今回は解説無し、思ったことを感想でまとめただけの記事になってしまいました。

アクション映画らしく、難解なストーリーもなく、爽快さが表に出ていたので。

解説するまでもないかな、と。

 

R15ではありますが、グロさもほとんどないので見やすいかと思います。

映画あまり見ないよーって方にもおすすめ、

アクション好きだよーって方には尚お勧めです。

 

ヒューマン系が好きな方は物足りなく感じるかも…

 

私は好きですけどね!

なんせキアヌがかっこいい。それを感じるのが最大の収穫の映画です。

 

では、閲覧ありがとうございました。

『グッドナイト・マミー』驚愕の映像と脚本のカラクリ

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 『グッドナイト・マミー』の紹介

概要 


映画『グッドナイト・マミー』予告編

 

『グッドナイト・マミー』

(原題:Ich seh, ich seh、英題:Goodnight Mommy)は、

2014年のオーストリアのホラー映画。

 

あらすじ

 

森と畑に囲まれた一軒家に住む双子の兄弟は、母親の帰りを待っていた。

ところが、母親の顔は包帯で巻かれており、性格まで冷たくなり、

まるで別人のようになっていた。

そこで、兄弟は帰ってきた母親が本物であるのか正体を暴くべく、

彼女を試しはじめる...

 

監督・出演

 

監督・脚本:ベロニカ・フランツ、セベリン・フィアラ
 

母親 :スザンネ・ヴェスト   / 日本語吹き替え - 根谷美智子
エリアス:エリアス・シュワルツ   / 日本語吹き替え - 恒松あゆみ
ルーカス:ルーカス・シュワルツ   / 日本語吹き替え - 青山玲菜
司祭 :ハンス・エッシャー   / 日本語吹き替え - 砂山哲英
バウアー:クリスティアン・シャッツ

 

(エリアス&ルーカスは実際の双子が本名で出演)

 

『グットナイト・マミー』を見た感想・考察(ネタバレ)

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『グットナイト・マミー』は是非2回見てほしい

最初に申しておきますと、

 

胸糞

虫(ゴキブリ)

拷問表現

 

が苦手な方にはお勧めしません。

 

この映画、仕様で一度目の視聴では意味が理解できないようになってます。

巧妙なテクニックですよね。

 (単純に、時間と頭を使わずに視聴したい人にとっては

イライラしかない事実)

 

双子の子供たちが偽物の母親と戦い本物の母親を取り戻そうとする

 

が主なストーリー。

 

ですが…多分ですけど、なんとなーく見ただけだと

 

母親がなぜか冒頭から子供にビンタするような人間で、

それから子供たちが母親を元に戻す為に頑張ると思いきや

母親が急にしおらしくなって

子供たちが逆にやり過ぎて母親を殺した

 

っていうめちゃくちゃな展開に見えます。

 

「は?意味が分かんねぇ」と思う人はたくさんいると思います。

無理もない…ええ、無理もないんです。

筆者も2回で意味が分かり、3回目でやっと全体像が見えたので…

 

はい。率直な感想を申し上げますと

一回目の視聴後は

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛いやめたげてぇぇぇぇ

 

イヤァァァァゴキブリいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

 

が大半を占めました。

考察もクソもない、物凄くチキンな感想ですw

 

でも実際セリフも最低限しかないので、仕方のない事か…と思いつつ。

 

と言うわけで是非、

 

一度目は「目を凝らして違和感を覚えたところを記憶する

二度目は「違和感を感じたところを見返す

 

と言う見方をすると一気に意味が分かると思いますよ!

 

 

 

『グッドナイト・マミー』の真相解説(ネタバレ)

 

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ではここからはカラクリを含め、真相をお話します。

 

先述した通り、初見だと

双子の子供たちが偽物の母親と戦い本物の母親を取り戻そうとする

話に見えるのですが…

 

実は違います。

 

 

実際は、

 

死んでしまった兄弟の幻を見ている息子に、

偽物だと疑われる母親の話

 

なんです。

 

そう、ホラーやサスペンスには必ず「犯人」や「襲う側」、「悪役」の存在がいますよね。

 

それが初見だと「母親

 

でも、真相は「息子」なんですよね。

 

では、以下真相が読み取れるシーンを記載します。

 長いですが、「あ!」となる部分はあると思いますよ。

 

 

 

  • 最初の母親と話をするシーンでエリアスの服はドロドロなのに、ルーカスは綺麗なまま。

    同じように遊んでいるのであればルーカスも汚れる筈。

      

 

  • お風呂上がり、母親はエリアスの分だけジュースを注ぎはルーカスの分のジュースを注がない。

    母親の自然さを見るにルーカスのジュースをわざと注いでいないようには見えない。

       

 

  • 3人でゲームをするシーンで、母親が子供たちから「子供が2人いる」というヒントをもらって、困惑する。

    エリアスとルーカスの双子の息子がいる「母親」とすぐに分かるはず。

     

 

  • 宅配で冷凍ピザを注文し、配達員がやって来る。そこにはなぜかエリアスのみで、ルーカスの姿がない。

    いつも一緒にいるルーカスが急に居なくなる。

      

 

  • 野良猫を部屋に匿った際、母親に二段ベッドの上をチェックされる。突如ルーカスがいなくなる。

    同様。さっきまで居てた筈。

      

 

  • エリアスはルーカスに言われた事をそのまま度々繰り返して言う。

    わざわざルーカスの意思をエリアスが伝える必要は無いはず

      

 

  • 母親が怒るシーン。

    「もう遊びはやめにするわ」「服も一つしか買わないし、朝食も一人分しか作らない」と、双子に対して1つをやたら強調する。

    母親はエリアスに対してだけ言っているように見える。という事はルーカスの分を用意しないということ。雰囲気から察しても、虐待的な意味での「用意しない」ではない。「ルーカス」は居ない、という事実が一番わかりやすいシーン。

     

     

 

  • 教会に居る男性の前でルーカスは直接喋らず、エリアスにわざわざ耳打ちする。

    必要ないはず。

      

 

  • エリアスが冷凍ピザを食べているシーン。ルーカスはその場に居ない(食べていない)。

    いつも一緒に居るのに突如居なくなる+食事をとらないということか?

 

 

 

このシーンから察せることは、

「ルーカスは存在しない」と言う事。

それを理解した上で最初から見てみると、

 

 

事故で兄弟を失った双子の片割れが、

兄弟の幻像とともに母親を痛めつける

 

という映像に変わります。

 

是非、お試しあれ。

 

『グッドナイト・マミー』の母親の真意

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一見冷たく当たる母親ですが、

先ほどの通りに見ると、母親の立場も大きく変わってきます。

 

 

母親の行動を一言で表すと、

 

おかしくなってしまった息子の正気を取り戻させたいと奮闘している」。

 

 

…なんなんでしょう。

皆が悪役と決めつけていた母親は、ただの「子を想う」母親だったんですね…

 

初登場シーンで冒頭で包帯グルグル巻きで、

ダウンタイムよろしく晴れ上がった顔、

双子への態度だけ見ると確かに「偽物」だと感じてしまうかもしれません。

 

ですが、先ほど解説したシーンを見ると

「ルーカス」の幻影を見続ける「エリアス」を正気に戻したいというのが見て取れます。

 

途中で「仲直りしましょう」と、優しく接するのも、試行錯誤してるんだな…と。

 

母親の視点で見てみると、本当に精神的に辛いシーンが山盛りで…

個人的に辛かったのは、最初の方で

夜、母親とエリアス(+ルーカス)が

付箋に書かれたものを当てるゲームをするのですが、

エリアスが出したヒントが、

 

「女性」

「動物が好き」

「子どもが2人いる」

「テレビに出ている」

オーストリアの人」

でした。

(答えは『ママ』)

 

この問題の正解を出せなかったシーン。地味に心が抉られます。

今生きている息子は「エリアス」しかいないから、自分と結びつかない母親。

 

疑問がありつつも、トリックのヒントのシーンなんで仕方ないですよね…

 

あとは、

 

エリアスに「ママはどこに居るか答えろ」って言われながら拷問されるシーンでした。

 

痛いのもそうなんですが、

間違いなく自分が母親なのに信じてもらえないって…

心が痛くなりますね。

拷問の描写は、吐き気がするので割愛。

他の方の解説を見てみてください。

 

 

察しがいい人は、母親が懇願して

 

「ルーカスが死んだのは事故で、あなたのせいじゃない」

「またルーカスと話をするし、食事も二人分作るから」

 

と言うシーンで理解できた人も多いようですね。

 

 

まとめ・感想

非常に考えられた映画で楽しかったです。

本当に胸糞悪かったですけど…ww

クライマックスはどこかファニーゲームを思い出します。

それぐらい救いようがありませんw

 

ただ、ミスリードの手法が先行し過ぎてて、

脚本やストーリーに必要な細かい演出に少し粗が出ているかもしれません。

(嫌悪感誘う目的であろう虫のシーン絶対要らないと思うし)

 

それを差し引いたとしてもすごい映画だと思いますよ!

気軽におすすめできる内容ではないですけどね…w

 

普通の映画に飽きた際に見てみるといいかもしれません。

平気な方は是非見てみてくださいね!(自己責任)

 

『エクソシスト』ホラーの裏に隠れた衝撃の真実

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映画『エクソシスト』の紹介

概要


少女に憑依した悪魔と神父の戦いを描いたオカルト映画の代表作であり、その後さまざまな派生作品が制作された。本国において1973年の興業収入1位を記録した。第46回アカデミー賞の脚色賞と音響賞を受賞。

 

題名となっているエクソシストとは、英語で"悪魔払い(カトリック教会のエクソシスム)の祈祷師"という意味である。

 

出演・監督

 

監督

出演

 

あらすじ

 

イラク北部で遺跡を発掘調査していたランカスター・メリン神父は、悪霊パズズの像を発見する。彼は「この邪悪な宿敵と再び対峙する日が近い」と予感する。

女優のクリス・マクニールは映画撮影のためにワシントン近郊のジョージタウンに家を借り、一人娘のリーガンと共に滞在していた。

ジョージタウンに住むデミアン・カラス神父は時々、ニューヨークに住む母親を見舞いに訪ねている。母親はギリシャからの移民で、ラジオでギリシャの音楽を聴いている。

クリスはやがてリーガンの異変に気付く。その声は邪悪な響きを帯びて形相も怪異なものに豹変したうえ、荒々しい言動は日を追って激しくなり、ついには医者からも見放される。

 

ウィキペディアより引用

 

映画『エクソシスト』を見た感想や解説

エクソシスト』は怖いだけではない?(感想)

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映像が怖い映画は沢山あります。
この『エクソシスト』もそのうちの一つ。

 

リーガンの変貌の仕方が
かなり恐ろしくおぞましいものですよね。

首が180度回転

緑の吐瀉物

見た目の変化

スパイダーウォーク

 

かなりの有名作品なので
皆様も一度は目にした事があるんじゃないでしょうか?

そして、小さなころに視聴して
「怖すぎてトラウマになった」というのが大多数だと思います。

 

私もそのうちの一人です。

可愛らしいリーガンが、
恥部に十字架をブッ刺して
下劣な言葉を連発しているシーンは
一生忘れもしません。


当時大泣きしながら
「もう絶対に見ない」と誓いましたw

 

ですが大人になり、トラウマ克服も兼ねて
意を決して薄目を開きながら視聴しました。

 

端的に感想を申し上げますと

 

「時代背景や当時のカトリックについて、
これ以上にないぐらい勉強になる」

 

「役者さんの演技力が凄すぎる」

 

「悪魔を取り扱った映画で
この『エクソシスト』を超える作品は未だない」

 

というところでしょうか。

私自身、キリスト教徒ではないので
ファンタジーに感じました。

ホラーではなく、あくまでファンタジー

 

大人になってやっとカラス神父の
苦悩の意味がわかったというか、

公開当時だからこその
カトリックの事情などがはっきり見える。

本当に素晴らしい作品だと思います。

 

なんでもっと早くしっかり見なかったんだろうと
後悔しておりますw

 

それぐらい面白いんですよ!

 

 

 

エクソシスト』は当時のカトリックの状況がよく分かる(解説)

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私は、この映画での主人公は
「リーガン」ではなく「カラス神父」だと考えています。

なんとなく見ているだけだと、カラス神父は
「リーガンの被害を悪魔の仕業と認めない情けない神父」
に見えてしまうんですよね。

ですが、このカラス神父の最初の対応が当たり前だったんです。

 

エクソシスト公開当時は悪魔の存在は一般的ではなかった

 映画が公開された1973年。
実は1970年代はカトリックの中でも悪魔の存在は一般的ではなかったのです。

実際にキリスト教カトリック教会では
「悪魔祓い」という風習はありました。

ですがあくまで歴史や知識としてであり、
実行される事が極稀にしかないという背景があります。

映画の中でもカラス神父が「悪魔祓いをする条件は満たしている」と
判断した時、教会の偉い神父が
「悪魔祓いの実績があるのはメリン神父しかいない」と
言っていましたよね。


当時「エクソシスト(悪魔祓い)」
という言葉の認知度のアンケートがあったそうで、

「知っている」という回答がほとんどなかったようですね。


この映画でその言葉が一般人にも認識され、
実際に悪魔祓いが実行されるのが多くなったのです。

現在は悪魔やエクソシストを取り扱った映画や漫画もたくさんありますが、
それはこの映画がきっかけなんですよ!


だからこそ今見るとカラス神父の対応を見ると

「なんで早く悪魔と認めないんだ」

と思ってしまうのも無理はないかと思います。

ただ、こういった背景を理解しながら見ると面白さ倍増ですw

 

 

悪魔祓いの方法はかなりシンプル!?

 映画『エクソシスト』を見ていると、
メリン神父、カラス神父は必死になって聖書を読み上げていましたね。


「え、悪魔祓いってそれだけなの?」


と思ってしまうかもしれません。
現代はエクソシスムを
取り扱っている作品が沢山あり、
中には超能力や特殊能力、
派手な武器で悪魔と戦っているのが殆ど。

 

ですが実際には、
この映画の悪魔祓いの方法は、正しいものなのです。

 

悪魔祓いを執り行うにも、しっかりとしたルールがあります。

 

実際にあるローマ典礼儀礼書を見てみると

 

  • どんな場合であっても、
    その者が本当に悪魔に憑りつかれているのか、

    もしくは妄想や病気、
    精神疾患なのかを見極めなければならない。
  • 任務を引き受ける司祭は、
    清廉潔白な生活を送っており、
    知的で、
    勇気があり、謙虚であること。
    特に重要なのは祈祷と断食。
  • 悪魔祓いの儀式は、
    教会の規則に則って行う事。

    迷信じみた儀式はどんな物であっても避ける事。
  • 憑依された者には祈祷と断食、
    告解(懺悔のようなもの)、

    聖体拝領(パンとワインを摂ること)による、
    悪魔祓いをしたいという気持ちにさせる事。
  • 悪魔祓いは、礼拝堂、教会、
    もしくは教会の小部屋で

    できるだけ少人数で行う事。
    十字架、マリア像を添える。

    両親や友人が儀式に参加することが好ましい。
  • 儀式は聖水散布から始まり、
    苦しむ者に十字架を掲げて、

    悪魔を排除すること。

 

結構しっかりとしたルールが設けられていますね。

 

聖書による祈祷と十字架を掲げることが主な儀式のようです。

 

祈祷の場所や親や友人が同伴という
細かい所は別として、
映画「エクソシスト」の悪魔祓いの描写は
かなり正確なことがわかりますね。

 

シーンで言っている呪文のようなものも、
実際に新約聖書に記載されているものです。
(一部エレミア書という旧約聖書の台詞もある) 

 

キリストの名のもとに命じるというセリフも、
実際に聖書に記載されており、
現代における悪魔祓いに使用されております。

 

それだけでもかなり体力や精神を酷使し
「恐怖」と隣り合わせの儀式のようで、
メリン神父が殉教(自らの信仰のために命を失ったとみなされる死)
してしまったのも納得してしまいます。

 

メリン神父は持病の心臓病があった為
それが災いし殉教という結果になりました。
ですがあれだけ悪魔を恐れさせていたのですから、
生きていればカラス神父も
命を落としてしまうことはなかったのだろうなと
正直に思います。

 

ですが、メリン神父の殉教後、
正式な悪魔祓いの方法もわからないカラス神父が
とった行動は、

 

「直接殴り、自分に乗り移るように脅す」

 

といった暴挙にも近い行動でした。

 

結果カラス神父に悪魔が乗り移り、
カラス神父は悪魔に乗っ取られる前に
家の窓から飛び出し、自分の命と引き換えに
リーガンの命を救ったわけですから
それだけ危険なものだったんでしょう。

 

カラス神父の心境の移り変わりでリーガンは救われた

 

まず、段々おかしくなっていくリーガンを
救いたい一心のクリス。

 

そんなクリスが最後に縋ったのが、

 

悪魔祓いを行うカトリック教会の神父である
「カラス神父」でした。

 

ですがカラス神父は、神父であると同時に
精神科医でもあるので、
クリスの話を聞いて即座に

 

「悪魔などいない、それは病気によるものだ」

 

と断言してしまいます。

 カラス神父は悪魔祓いの実績がなく、
「あくまで知識として知っている」、
その程度なのです。

 

前述した通り、
めったに行われることのない儀式なのです。

 

典礼儀礼書にもあるように
「病気か悪魔の仕業か見極めること」が
重要な悪魔祓いの儀式。

カラス神父がそういった対応になるのも
当たり前なのです。

しかもカラス神父は精神科医
「医者の目線」「神父の目線」の境界線で
長く悩むことになります。

と言っても、
終盤まで医者の目線だったんですけどね。

初めてリーガン(の中の悪魔)と対峙した時は
リーガンの状態を見ても
「病気」と断定していました。


サイコキネシス(?)で
引き出しを開ける


カラス神父の母親が
死んだことを言い当てる



これでも充分『悪魔憑き』に
該当している気がしますが
これは実は悪魔の巧みな
「錯乱させる為の嘘」が盛り込まれているんです。

悪魔は拘束されているので、
「紐をほどけ」と言います。
カラス神父は「能力で解けるだろう」と言います。
悪魔は「そんなしょうもない事で能力は使わない」と答えます。

これでは「ただの脅し」にしか見えません。

引き出しを開けた後、
カラス神父は「もう一度やってみろ」と言います。
悪魔は「いずれな」と応えようとしません。

これではトリックの可能性が拭えない状態です。

母親が死んでいることに言及した後、
カラス神父は、
「ほう、ならば母親の旧姓は?」と言います。
悪魔は答えません。

 

これでは「町の神父だから噂で知っていた」
という可能性が拭えません。

 

結果、カラス神父が「やはり病気だ」と判断してしまうんですね。
悪魔の思う壺です。
しっかり騙されています。


リーガン(悪魔)が逆さ言葉を使用した事により
精神疾患の可能性が拭えないが、
悪魔祓いができる条件は満たした」
と判断したカラス神父。

そして儀式の実績のあるメリン神父と一緒に
悪魔祓いを実行することになりました。

その際にメリン神父に


「悪魔と喋ってはいけない。悪魔は噓つきだ。
その嘘に真実を混ぜて我々を混乱させる。気を付けて」


と警告されます。

カラス神父はその嘘に翻弄されていたんですねw
そして前述した展開になるのですが、
カラス神父は儀式中に「神父としての役目」に気付くんです。

儀式が難航し、一旦休憩をとることになった神父二人ですが、
クリスがカラス神父に問います。

「あの子は死ぬんですか?」と。

その時に神父としてリーガンの命を救わなければいけない。

そう自覚したんです。

メリン神父とクリスが居なければ
リーガンが救われることもなく、
カラス神父は一生を
精神科医」として終える事になっていました。

 

方法は正しくは無いけれども、
命を賭して、間違いなく「殉職」したカラス神父。

序盤の陰気臭い印象とは逆に、
とても勇敢で格好良かったです。

 

物語全体で考えるとバッドエンドなんでしょうけど、
間違いなくリーガンは救われていますから、
この終わり方に全く疑問は湧きませんでした。

まとめ

今回は敢えてカラス神父に焦点を置いてお話させていただきました。

 

ストーリーを追って全て解説となると、
歴史上の人物や神話紹介、
聖書を引用しまくって話をややこしくしてしまう可能性がございましたので

「コイツ何言ってんだ?」と思うかもしれませんが
好きなように語らせていただきました。

 

さすがアカデミー賞受賞作品。
ストーリーだけでなく、演出や音楽も全て良かった…!!

 

気付けばこれ以上ないぐらい
画面にかじりついて見ていましたw

 

是非皆様に見ていただきたい映画ですね。

 

閲覧、有難うございました。

『チョコレートドーナツ』2度と見たくない世界一優しくて残酷なお話

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『チョコレートドーナツ』の紹介

概要

原題- Any Day Now(いつの日か)

2012年のアメリカ合衆国のドラマ映画。 「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された映画。

 

公式ホームページ

 

出演・監督

監督

脚本

  • ジョージ・アーサー・ブルーム

出演

                              他

 

あらすじ

 

1979年のカリフォルニア。
歌手を夢見ながら、ゲイバーのショーでパフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと心を通わせ合い、交際を始める。

そんな折、ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコが、
危険薬物を所持し逮捕された母親のために、施設へと隔離された事実を知る。

繰り返されるマルコの脱走に心を痛めたルディは、ポールを説き伏せてマルコを引き取りともに暮らそうと提案する。

                      ウィキペディアより引用

 

チョコレートドーナツ』を見た感想

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『チョコレートドーナツ』は、言いたくはないけど、人を選ぶ作品

 そうなんです。まず注意して欲しい事が何点か。

下記に当てはまる方は見ないほうが賢明です。

 

  • 『ゲイ』に対して嫌悪感を抱いている方
  • 良くも悪くも差別の意識が強い方
  • ハッピーエンドじゃないと許せない方

 

寧ろ、当てはまるのであれば見てほしくないです。
そういった人とはこの映画について語りたくないというのが正直な話です。

 

『ゲイ』に対して嫌悪感を抱いている場合、
この作品はゲイの性行為を思わせる描写が沢山あります。

 

あらすじを読めば分かる通り、取り扱っているのが
『ゲイ』『ダウン症』といったデリケートな物なので
少しでも嫌なのであれば回れ右です。

 

 

 

『チョコレートドーナツ』は2度と見たくない、世界一優しくて、世界一残酷なお話(ネタバレ)

 

記事タイトルにもあるように、
視聴後私が最初に思ったことは『世界一優しくて残酷なお話』と言うことです。
私は目がなくなるかという勢いで涙が止まらず、次の日の仕事に差し支える顔面になってしまいました。

 

ゲイであることに対しオープンで、
誰よりも真っ直ぐで全ての事に情熱的なルディ。

ゲイであることはひた隠しにしたいが、
冷静で誠実、そして誰よりも優しいポール。

ブロンドの人形「アシュリー」が宝物で、
チョコレートドーナツが大好物で、笑顔が誰よりも可愛らしいマルコ。

 

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この三人の幸せをただひたすら願いました。
大きなハッピーな出来事なんて起こらなくていいから、
毎日の小さな幸せをこの三人に末永く与えて欲しかった。
マルコの「おうち」は、ルディとポールという、
素晴らしい二人の父親と暮らす「おうち」なんです。

 

何故かというと、この三人は誰よりも純粋で誰よりも絆の深い親子だからです。
こんなに美しい心を持った親子は「実の親子」だろうがそうは居ません。
断言できるほどの素晴らしい関係性なのです。

 

このメインの三人はもちろん、
マルコがルディとポールに引き取られてから編入した
養護学校の先生も掛け値なしに素晴らしい人です。

 

「貴方達の関係は正直興味ありません。

ただ、マルコにとって素晴らしい両親です(超要約)」

 

と言ってのけたのですから。
マルコの先生がこの人で良かったと心から思いました。

 

舞台は1979年ですから、
ゲイに対しての偏見、差別が今と比べて激しかったんですね。
そんな中「興味ありません」と強く言った先生は凄いと思います。

 

ですが、それ以外の登場人物は心無い差別主義者ばかりで、
ポールの上司、ウィルソンの内部告発(ゲイである事)により、
ポールは検察官をクビにされるだけでなく、
二人からマルコを引き離したのです。

 

マルコは施設に送られます。

 

もう、このシーンで私は大号泣でしたねw

「やめてえええええええ!」ってなりましたw

 

そしてそこから養育権を取り返すべくルディとポールが裁判を起こすのですが、

検察官の質問が全て

 

「同性愛は異端」

「異端者が子供を育てるなんてもっての外」

「マルコに悪影響」

 

という侮辱の主張が含まれていて、

 

「マルコの目の前でこの二人が裸で抱き合ってたんじゃないか」という質問が出てきたときには検察官を殴り飛ばしたくなりました。

 

記事を書きながらまた涙が出てきました…w

 

そんな屈辱な裁判が長く続くのですが
間にあるマルコの描写がもう…切なすぎてですね…。

 

ひたすら、「おうち」に帰ることを望んで、二人の迎えを待っていました。

 

ルディとポールは全力で裁判に臨みますが…
努力も虚しく、検察側が出所したマルコの母親を無理やり引き合いに出す事で
養育権を取り返すことが出来なくなり、
その上「接近禁止命令」を出されるのです。

 

この後のシーン、

マルコが施設の車に乗っていて、
施設の人が「おうちに帰れるのよ、よかったわね!」というと
マルコはとてもうれしそうに「うん」と頷きます。
二人とまた暮らせる喜びでそわそわしてるんですよ。

 

ですがいざ到着したそこは、「実の母親の家」。

マルコは「おうちじゃない」と拒否したのですが、

無理やり母親の家に戻されたんです。

 

そう、マルコのおうちはルディとポールとマルコが暮らす家。
それしかないのです。

母親の家は「おうちじゃない」。

 

そして母親との生活のシーンに移ります。

 

麻薬で捕まり、出所したにもかかわらず
母親は懲りずにまた麻薬でラリッていました。
ラリッて彼氏とおっぱじめようとしていました。

 

そして母親の彼氏(こちらもラリッている)に「邪魔だ出ていけ」と、
母親に「後で呼ぶからそれまで玄関を出てアパートの廊下に居て」と言われます。

 

残酷過ぎませんかこのシーン。

 

そして、そのままマルコはアシュリーを抱いて「おうち」を探して出ていきます。
「おうち」の場所なんて分かる訳がありません。
ひたすら街を歩き、橋の上で立ち尽くしてシーンが終わります。

 

その後、ポールは自分たちを貶めたウィルソンや判事、検察官へ手紙を送ります。

 

マルコの死亡事件の記事の切り抜きを同封した手紙を。

 

 

 

ここで映画が終わるんですが

 

マルコはもう帰ってこない。
もうどんなに頑張ってもルディとポールはマルコに会うことが出来ない。

なんでこんなにも三人を不幸にするんだ?

三人が悪いことをしたのか?

ゲイである事、ダウン症である事がそんなに罪なのか?

と自問自答しました。

三人の幸せを願っていた視聴者は間違いなく号泣したんではないでしょうか?

 

もう辛すぎて、

もっと細かいシーンについて語りたかったんですが諦めてしまいました。

 

まとめ

 

この作品は2回目を見るには辛すぎる仕掛けがあります。

実際私は2回目を見る際辛すぎて序盤で諦めてしまいました。

 

個人的には「ダンサーインザダーク」より「ミスト」より

見るのが辛かったです。

 

2度と見たくありません。(いい意味で)

 

でも絶対しばらく経つと見たくなって見るんだろうなぁ…w

その仕掛けに関しては実際に見て確認してください。

 

「2度と見たくない、世界一優しくて残酷なお話」
と私は勝手にテーマ付けていますが、

 

嫌いなわけじゃないですよ!!

寧ろ魂が揺さぶられ、ブログを開設するきっかけになった素晴らしい映画です。

近年の映画(ヒューマンドラマ系)はあまり好まなかったのですが、

これは掛け値なしに素晴らしい作品です。

全力でお勧めとして推しますが、取り扱ってるテーマがテーマですので、

視聴の際は気を付けてくださいね!

 

 

閲覧ありがとうございました。