ukyokyokyo’s diary

主に映画のご紹介、視聴感想をお話します。

『チョコレートドーナツ』2度と見たくない世界一優しくて残酷なお話

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『チョコレートドーナツ』の紹介

概要

原題- Any Day Now(いつの日か)

2012年のアメリカ合衆国のドラマ映画。 「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された映画。

 

公式ホームページ

 

出演・監督

監督

脚本

  • ジョージ・アーサー・ブルーム

出演

                              他

 

あらすじ

 

1979年のカリフォルニア。
歌手を夢見ながら、ゲイバーのショーでパフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと心を通わせ合い、交際を始める。

そんな折、ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコが、
危険薬物を所持し逮捕された母親のために、施設へと隔離された事実を知る。

繰り返されるマルコの脱走に心を痛めたルディは、ポールを説き伏せてマルコを引き取りともに暮らそうと提案する。

                      ウィキペディアより引用

 

チョコレートドーナツ』を見た感想

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『チョコレートドーナツ』は、言いたくはないけど、人を選ぶ作品

 そうなんです。まず注意して欲しい事が何点か。

下記に当てはまる方は見ないほうが賢明です。

 

  • 『ゲイ』に対して嫌悪感を抱いている方
  • 良くも悪くも差別の意識が強い方
  • ハッピーエンドじゃないと許せない方

 

寧ろ、当てはまるのであれば見てほしくないです。
そういった人とはこの映画について語りたくないというのが正直な話です。

 

『ゲイ』に対して嫌悪感を抱いている場合、
この作品はゲイの性行為を思わせる描写が沢山あります。

 

あらすじを読めば分かる通り、取り扱っているのが
『ゲイ』『ダウン症』といったデリケートな物なので
少しでも嫌なのであれば回れ右です。

 

 

 

『チョコレートドーナツ』は2度と見たくない、世界一優しくて、世界一残酷なお話(ネタバレ)

 

記事タイトルにもあるように、
視聴後私が最初に思ったことは『世界一優しくて残酷なお話』と言うことです。
私は目がなくなるかという勢いで涙が止まらず、次の日の仕事に差し支える顔面になってしまいました。

 

ゲイであることに対しオープンで、
誰よりも真っ直ぐで全ての事に情熱的なルディ。

ゲイであることはひた隠しにしたいが、
冷静で誠実、そして誰よりも優しいポール。

ブロンドの人形「アシュリー」が宝物で、
チョコレートドーナツが大好物で、笑顔が誰よりも可愛らしいマルコ。

 

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この三人の幸せをただひたすら願いました。
大きなハッピーな出来事なんて起こらなくていいから、
毎日の小さな幸せをこの三人に末永く与えて欲しかった。
マルコの「おうち」は、ルディとポールという、
素晴らしい二人の父親と暮らす「おうち」なんです。

 

何故かというと、この三人は誰よりも純粋で誰よりも絆の深い親子だからです。
こんなに美しい心を持った親子は「実の親子」だろうがそうは居ません。
断言できるほどの素晴らしい関係性なのです。

 

このメインの三人はもちろん、
マルコがルディとポールに引き取られてから編入した
養護学校の先生も掛け値なしに素晴らしい人です。

 

「貴方達の関係は正直興味ありません。

ただ、マルコにとって素晴らしい両親です(超要約)」

 

と言ってのけたのですから。
マルコの先生がこの人で良かったと心から思いました。

 

舞台は1979年ですから、
ゲイに対しての偏見、差別が今と比べて激しかったんですね。
そんな中「興味ありません」と強く言った先生は凄いと思います。

 

ですが、それ以外の登場人物は心無い差別主義者ばかりで、
ポールの上司、ウィルソンの内部告発(ゲイである事)により、
ポールは検察官をクビにされるだけでなく、
二人からマルコを引き離したのです。

 

マルコは施設に送られます。

 

もう、このシーンで私は大号泣でしたねw

「やめてえええええええ!」ってなりましたw

 

そしてそこから養育権を取り返すべくルディとポールが裁判を起こすのですが、

検察官の質問が全て

 

「同性愛は異端」

「異端者が子供を育てるなんてもっての外」

「マルコに悪影響」

 

という侮辱の主張が含まれていて、

 

「マルコの目の前でこの二人が裸で抱き合ってたんじゃないか」という質問が出てきたときには検察官を殴り飛ばしたくなりました。

 

記事を書きながらまた涙が出てきました…w

 

そんな屈辱な裁判が長く続くのですが
間にあるマルコの描写がもう…切なすぎてですね…。

 

ひたすら、「おうち」に帰ることを望んで、二人の迎えを待っていました。

 

ルディとポールは全力で裁判に臨みますが…
努力も虚しく、検察側が出所したマルコの母親を無理やり引き合いに出す事で
養育権を取り返すことが出来なくなり、
その上「接近禁止命令」を出されるのです。

 

この後のシーン、

マルコが施設の車に乗っていて、
施設の人が「おうちに帰れるのよ、よかったわね!」というと
マルコはとてもうれしそうに「うん」と頷きます。
二人とまた暮らせる喜びでそわそわしてるんですよ。

 

ですがいざ到着したそこは、「実の母親の家」。

マルコは「おうちじゃない」と拒否したのですが、

無理やり母親の家に戻されたんです。

 

そう、マルコのおうちはルディとポールとマルコが暮らす家。
それしかないのです。

母親の家は「おうちじゃない」。

 

そして母親との生活のシーンに移ります。

 

麻薬で捕まり、出所したにもかかわらず
母親は懲りずにまた麻薬でラリッていました。
ラリッて彼氏とおっぱじめようとしていました。

 

そして母親の彼氏(こちらもラリッている)に「邪魔だ出ていけ」と、
母親に「後で呼ぶからそれまで玄関を出てアパートの廊下に居て」と言われます。

 

残酷過ぎませんかこのシーン。

 

そして、そのままマルコはアシュリーを抱いて「おうち」を探して出ていきます。
「おうち」の場所なんて分かる訳がありません。
ひたすら街を歩き、橋の上で立ち尽くしてシーンが終わります。

 

その後、ポールは自分たちを貶めたウィルソンや判事、検察官へ手紙を送ります。

 

マルコの死亡事件の記事の切り抜きを同封した手紙を。

 

 

 

ここで映画が終わるんですが

 

マルコはもう帰ってこない。
もうどんなに頑張ってもルディとポールはマルコに会うことが出来ない。

なんでこんなにも三人を不幸にするんだ?

三人が悪いことをしたのか?

ゲイである事、ダウン症である事がそんなに罪なのか?

と自問自答しました。

三人の幸せを願っていた視聴者は間違いなく号泣したんではないでしょうか?

 

もう辛すぎて、

もっと細かいシーンについて語りたかったんですが諦めてしまいました。

 

まとめ

 

この作品は2回目を見るには辛すぎる仕掛けがあります。

実際私は2回目を見る際辛すぎて序盤で諦めてしまいました。

 

個人的には「ダンサーインザダーク」より「ミスト」より

見るのが辛かったです。

 

2度と見たくありません。(いい意味で)

 

でも絶対しばらく経つと見たくなって見るんだろうなぁ…w

その仕掛けに関しては実際に見て確認してください。

 

「2度と見たくない、世界一優しくて残酷なお話」
と私は勝手にテーマ付けていますが、

 

嫌いなわけじゃないですよ!!

寧ろ魂が揺さぶられ、ブログを開設するきっかけになった素晴らしい映画です。

近年の映画(ヒューマンドラマ系)はあまり好まなかったのですが、

これは掛け値なしに素晴らしい作品です。

全力でお勧めとして推しますが、取り扱ってるテーマがテーマですので、

視聴の際は気を付けてくださいね!

 

 

閲覧ありがとうございました。